sucre*の槻原碧依さまに捧ぐバルト三兄弟+ポー



「ひとりでおふろはいれます」

そう言うラトビアの強がった顔を見つめて、エストニアは少なからず衝撃を受けているこ とを感じた。



ちいさなこの弟はまだまだ手がかかり、その世話を焼いていると、自分が大人になったようだった。
兄のリトアニアはポーランドと一緒に勉強が忙しそうだし、ラトビアの世話を引き受けることで少しでも負担を減らしてあげられるという自負もあった。
小さくてよく泣き出すかわいい弟の世話をするのはただそれだけでも楽しかったけれど。

だからその世話を断られてしまうと、自分は必要ないと言われたような気分になった。

ラトビアのくるくるとしたつむじを見送ってバスルームの扉を閉じ、少しうつむいてしまった。
鼻の奥にツキンと痛みを感じて目尻に涙が浮かぶのがわかった。


ガシャン!


扉の向こうからなにやら物が倒れた音と、続いてラトビアの泣き声が響いてきてハッとする。
「ラトビアどうしたのっ?」
急いでドアを開けると、泡まみれになって大泣きするラトビアとまわりに散らばったシャンプーなどのボトルが目に入った。

「おめめいたいーっ!」
「泡が目に入ったの?」

カランを捻り、適温にした湯をゆっくりとラトビアにかけてやる。丁寧に泡を落とし、特に気をつけて目の回りをぬぐう。
いつの間にかラトビアは泣き止み、大人しくされるがままになっていた。

やはり自分が面倒をみてやらなければ。

「一人じゃ無理だっだだろ?今度からまた一緒に入ろうね」
そう言うとちいさな頭がこくりと揺れ、ぎゅっとエストニアにしがみついてきた。
かわいい。かわいい弟だ。
濡れたついでに服を脱いでバスタブにつかり、一緒に数を十まで数えた。



「ずいぶん賑やかにお風呂入ってたね」
バスルームを出たところでタオルを広げたリトアニアが待ち構えていた。ポーランドも遊びに来ていたのかこちらもタオルを持って立っている。
「俺が拭いてやるしー」
きゃあきゃあと歓声を上げるラトビアを大判の柔らかなタオルで包み込み、若干乱暴に拭いていた。
エストニアはリトアニアの広げたタオルにくるまれた。
「ラトビアの面倒みてくれてありがとう、エストニア。助かるよ。」
そう言われると嬉しいような照れ臭いような気持ちになり、エストニアはタオルに顔を埋めた。







以前絵チャでお話させていただいたときに、お風呂ネタでガン萌えした勢いで書いてしまったのを捧げさせていただきました。
お子様ラトとローティーンくらいのエストとリトとポーはハイティーンくらいのイメージです。

そして素敵なお返しをもらったよ!ミジンコで鯛釣った!!!
→素敵なあおさまのバルト+ポー小説を見る